世代交代する屋久杉の森

倒木を抱いて十分に育ったあと、数百年後には親が腐敗してできる穴(イメージ:©Σ64 CC-BY 3.0)
樹齢を100年単位で数えられ、千年を越えてはじめて屋久杉と呼ばれる杉の老木。屋久島の森にはおよそ一万本ほどのヤクスギが現存すると言われています。
江戸から昭和にかけて建材として利用するために続けられた伐採、土砂崩れや落雷などの自然災害による倒木などによって死に絶えるのではなく、暗い森が巨木が伐採されることで、または土砂滑りや落雷、倒れてしまったために明るい光が差し込み、新しい杉が生れることで世代交代を繰り返しながら森林が受け継がれています。
倒木更新・切株更新

三代杉は倒木更新のあとさらに切株更新
花崗岩の島で土壌が薄く、栄養分の少ない屋久島の森。伐採や倒木で明るく開けた場所は陽当りを好む杉が芽生える恰好の場所。切り株や倒木を栄養にして次世代が育つ「倒木更新」「切株更新」の2つの方法で世代交代が行われています。
空洞ができるわけ

わざわざくぐり杉の穴を通す登山道
元々樹脂分が多く腐りにくいことに加え、多湿な屋久島の森では風雨や日光を苔が遮るため、切株や倒木は分解するのに数百年掛かります。更新した小杉が根を抱え込むような姿で十分に育ってから分解しするため空洞ができます。
再生する屋久杉の森

最も手軽に観れる著名屋久杉
堅く腐らないために珍重され、豊臣秀吉の命から昭和までの長きにわたって伐採され続けた屋久杉の森。伐採跡の明るい場所に育った新しい世代、樹齢数百年の小杉が森を再生する。